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淳.EBIの設計室のわななき【2022年08月11日】


 

 

上の浮世絵画像は「大はしあたけの夕立」です。
あたけ(安宅)は地名で「安宅の大橋に降る夕立ち」と言う意味になります。

EBIは、お盆に先祖様にいつも家族を見守ってもらっているお礼を込め、やはり家族が安心でのんびりと過ごせるよう気持ちを込めて、妻や子供たちと一緒にお墓参りに行ってきました。
子供たちにも、ご先祖様にご紹介とご挨拶を説明し、次の世代にも伝えてほしい気持ちを伝えました。
これからも家族一緒にお墓参りをしながら、文化を継承したい気持ちのEBIです。

上の浮世絵、広重の作品「大はしあたけの夕立」が素晴らしいですね!
激しい夕立に降られながら、隅田川にかかる「大はし」を渡っている作品です。
この作品のように最近は、暑い昼間の気温から、突然の大雨なんてことが日々起きています。
浮世絵の作品を最近の天候と捉え合わせて、浮世絵師にでもEBIはなりたかったのかと思われるかもしれないが、そんなことはございません。
冒頭にこの作品を紹介したのにも訳があります。

 

 

栃木県の那珂川町というところにこの作品をはじめ広重コレクションで有名になった馬頭の広重美術館があり、先日の夏季休暇に家族を連れて行ってきました。
広重の肉筆画をはじめとした作品がたくさん並らんでおり、この美術館の設計者は、今や世界の建築家、隈研吾です。
「広重の芸術と日本の伝統を表現する建築で落ち着きのある外観」実に素晴らしいと思った次第でした。
自然豊かな那珂川町の景観に溶け込むよう、ゆったりとした平屋建てに切妻の大屋根となっています。
良い事なのか悪い事なのか、どうもあいにくの天気、でも浮世絵に似た雰囲気で天気は作品と同様に雨。
実に風情のある建築風景でありました。
建屋天井が垂木表しのようにルーバーになっている空間から差し込む光線がとても美しく妻も感心していた様子でした。
これが晴れた日は、影の線が時間帯によって様々な表情を見せるデザインになります。
皆さんは是非晴れた日に行くこともいいですが、この雨の美術館もEBIのオススメします。

 

 

内部空間では、ルーバーのデザインが屋根、壁と全体的に見渡す限りのものとなっていて隈研吾さんらしいデザインを感じることができます。
他にも、この空間には様々な魅力があり見どころ満載です。
和紙で構成された壁があり、照明も相まってとても柔らかい印象を与えています。
この建物は鉄筋コンクリート鉄骨造ですが、その無機質さを感じさせない木材、和紙の柔らかい印象を与える隈さんの技術にはEBIも大変勉強になりました。
下は栃木県が誇る大谷石の解体古材を利用した、古い遺跡のような存在感のオブジェ的な玄関前目隠し衝立です。

 

 

キッチン前には鉄平石を貼り自然木の縦割り厚板を食卓テーブルとして、黒三角の変形脚の自然派マテリアルとコンテポラリーのデザインです。
階段の手摺は細桟でモンドリアン的組子いかがでしょうか?
お客様からは絶賛のお褒めをいただきました。

 

 

素材感を見せることはもちろん大切ですが、素材が持っているはずの時間の思い出、そこに形として在るべき理由など、とことん表現者として有機的に素材の関係を装置として昇華したいといつも考えています。
それが大きな変化、ちょっとした変化球でもあったりします。
このような技術や考察と発想が今後のログハウス設計でも重要になってくると思った、今年の夏のEBIの休暇でした。

 

 

 

 

淳.EBIの設計室のわななき【2022年08月11日】




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