建築探訪(茨城編)
淳.EBIの設計室のわななき【2025年08月06日】

8月になりました、猛暑日が続きエアコンの使用が日常不可欠になっています。
EBIが小学生だった頃のころは夏のプールは気温が低すぎて入れない…なんてことが多かった気がしますが今の時代は逆に気温が高すぎて入れないことも多いそうです。
昔と今では暑さのレベルが全然違うのだなと改めて感じました。
しかし、暑さはまだまだこれからが本番です。
室内にいても水分補給をしっかり忘れずに熱中症対策をきちんと行っていきたいと思います。

さて今回は、先日お隣の茨城県に子供たちと出かけた際に立ち寄った水戸市民会館についてご紹介させていただきます。
この建物は、伊藤豊雄という建築家が設計を手掛けたものになります。
主構造は鉄筋コンクリート造、一部に耐火木造と鉄筋が配置された混構造の建築物です。
外観は、開放感のある全面ガラス張り、一部ルーバーが使用されています。
遠くから見ても、すぐにこの建物が市民会館であるということが分かり、存在感があります。
館内に入ってみると、外観の現代的な雰囲気に反し、大きな木の柱と梁によって囲まれた「やぐら広場」という広い空間が現れ、静かで落ち着いた印象を感じられます。
少し進むと目のつく場所に、市民会館の構造についてのプレゼンシートや模型が展示されており、ゆっくり堪能しました。
この「やぐら広場」は、館内の中では一番の見所になっており、いばらきデザインセレクション2023に選定されています。
部材がむき出しになっているこの空間は、力強くダイナミックな印象を与えながらも木の素材としての質感やにおいなどにより、来館者が親しみやすく、落ち着ける雰囲気を醸し出しています。
また、使っている木材は1時間の耐火認定を取得した耐火木集成材「燃エンウッド」で、国内公共施設における耐火建築物としては最大級だそうです。

こちらは、3階から見た際の写真です。
柱、梁の構造を間近で見ることができます。
この大きい柱と梁を支えているのは、斜めに組んである白い部材で、これが大きな役割を果たしていることが分かります。
この白い部材は鉄骨でできており、木の柱と梁、鉄骨部材でトラスを組むという構造はあまり見たことがなく、初めて近くで見ることができました。
鉄骨が白く見えているのは、火災時に鉄から木材に熱が伝わるのを防ぐためにカバーで覆っているからだそうです。
白い鉄骨を使うことで、木材トラスの時よりも、より強度を上げることができるだけでなく、スタイリッシュで柔らかい印象を受けました。
このような太く長い部材をどのように組んでいったのか施工中の様子を見てみたかったものです。

今回ご紹介させて頂きました水戸市民会館以外にも伊藤氏が設計を手掛けた建築物は茨城県に数多くあります。
時間の都合上他の建物を見ることができませんでしたが、またの機会があれば訪れたいです。
また、市民会館の隣には国際的に活躍した建築家によって手掛けられた水戸芸術館があります。
このように、茨城県には有名な建築物が多くあり、魅力ある建物ばかりです。
建築巡りをする際はぜひ、訪れてみてください。
淳.EBIの設計室のわななき【2025年08月06日】
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